痛風 発症機序
痛風は中年以降の男性に後発する代謝性疾患です。免疫細胞が一ナトリウム尿酸(MSU)結晶を認識するとNLRP3インフラソームが作動し、炎症性サイトカインIL-1βが放出され、これが好中球を大量に呼び込みます。そして関節および周囲に激しい発赤・腫脹・疼痛が起きます。したがって痛風発作は結晶を起点とした自然免疫が急激に増幅された反応です。
発作が数日で自然に治っても結晶自体は残っています。結晶が全て消えたからではなく、結晶表面の被覆、炎症性サイトカインの抑制、死んだ好中球の処理、TGF-βなどの抗炎症機構が優勢になるからです。
尿酸値が上昇する理由
腎排泄または消化管排泄の減少
- 産生の亢進(まれ)
- プリン体の過剰摂取
*尿酸値が高い人の一部だけに痛風発作が起きる理由は不明です。
症状
急性痛風性関節炎は突然の痛みから始まる(夜間に多い)。母趾の中足趾節関節が侵されることが最も多い。
足背部、足首、膝、手、肘などもよく侵される。痛みは次第に強くなり、発赤と腫脹、熱感を伴う。
最初の数回の発作では単一の関節のみに症状が現れ、数日持続する。
治療
急性発作の治療
非ステロイド系抗炎症薬コルヒチンの作用機序
尿酸そのものを下げる薬ではありません。
①チュブリンに結合する
微小管の重合を阻害し、細胞骨格の働きを低下させます。
②好中球の遊走を抑える 好中球が血管から関節内へ移動する走化性・接着を抑えます。
③好中球の活性化を抑える 尿酸結晶の貪食、脱顆粒、活性酸素産生などを抑えます。
④NLRP3インフラソームを制御する マクロファージにおけるインフラソーム形成を妨げ、カスパーゼ1の活性化とIL-1β産生を減少させます。
コルヒチンの作用機序
尿酸そのものを下げる薬ではありません。
①チュブリンに結合する
微小管の重合を阻害し、細胞骨格の働きを低下させます。
②好中球の遊走を抑える 好中球が血管から関節内へ移動する走化性・接着を抑えます。
③好中球の活性化を抑える 尿酸結晶の貪食、脱顆粒、活性酸素産生などを抑えます。
④NLRP3インフラソームを制御する マクロファージにおけるインフラソーム形成を妨げ、カスパーゼ1の活性化とIL-1β産生を減少させます。
- コルヒチン
- ステロイドホルモン
慢性期の治療
❶生活習慣の改善
体重管理 肥満の場合は体重減量
- 高プリン体食の過度の摂取を控える
- 飲酒を控える
❷薬物療法
①尿酸生成抑制薬 アロプリノール(ザイロリック®)、フェブキソスタット(フェブリク®)、トピロキソスタット(ウリアデック®)
②尿酸排泄促進薬 ベンズブロマロン(ユリノーム®)、ドチヌラド(ユリス®)
*どの薬の場合でも尿酸値を急激に下げないようにすることが肝要です。
高尿酸血症治療アルゴリズム
※高尿酸血症・痛風の診療ガイドライン2019より
高尿酸血症の治療方針は、血清尿酸値に加え、痛風関節炎や痛風結節の有無、合併症の有無などを踏まえて判断します。
当院では、患者さまの状態に応じて、生活指導を基本にしながら、必要に応じて薬物治療をご提案します。
痛風発作を繰り返していない、ただの高尿酸血症のかたには、生活指導をしますが、基本的には尿酸降下薬の投与をしません。
